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五反田バレーのクリエイターはこれを見てる (第4回:freee横田健志さん)

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五反田バレー企業の社員がおすすめコンテンツを紹介する連載「五反田バレーのクリエイターはこれを見てる」。第4回はfreee株式会社のエンジニアリングマネージャーの横田健志さん。

エンジニアの最新トレンドを知ることができるポッドキャストや、開発時の組織設計に関する書籍、さらには宇宙物理学者ホーキング博士の書籍をご紹介いただきました。

プロフィール

freee株式会社 横田健志さん
部署:金融開発部
肩書:エンジニアリングマネージャー
担当業務:スモールビジネス×金融の領域でのプロダクト開発。最近ではfreeeカード Unlimited の開発チームのマネジメント
勤続年数:3年半

freee横田さんのおすすめコンテンツ

ポッドキャスト「Rebuild」

五反田バレーのエンジニアの皆さんにもリスナーは多いのではないでしょうか。「Rebuild.fm」の名前で呼ばれることのほうが多いのですが、正式なタイトルは「Rebuild」なのだそうです。私も今回初めて知りました(笑)。

Redbuildは、エンジニアの宮川達彦さんがソフトウェア開発、テクノロジー、ガジェットの話題を中心に、ゲストとトークするポッドキャストです。

Rebuildにたまに登場するtypesterさんが前職の技術顧問として入ってくださっており、その経緯で聞き始めました。技術のトレンドを知ることができるのももちろんですし、一流のエンジニアの皆さんが、常にアソビゴコロを持って日々暮らしていることを知れるのが面白いと思っています。

私は特にhakさんが出演する回が好きです。CPUやGPUの仕組みを寿司に例えて説明してくれるのですが、それがもう例え上手で。ご存知ない方からは何を言っているか分からないと思うので、直近の出演回から引用させていただきます。

(IntelのCPU「Alder Lake」の説明の中で、)
“キャッシュのスラッシングって言うんですけども、コアの中でスレッドを切り替える回数が少なくなるほど、キャッシュのローカリティが上がるというんですかね。それがハードウェア的な面でのメリットですけど、何と言ったらいいですかね……。

まあ例えば、マグロ12貫 セットを頼むのと、よりどりみどり12貫 セットを頼むのだと、マグロ12貫 セットであれば、常にマグロを食べ続けることができると。分かります?
よりどりみどり12貫 セットだと、よりどりみどりな12貫 をコンテキストスイッチしながら食べないといけない。

(司会)ネタが変わるたびにコンテキストスイッチが発生するっていう?

そうです、そうです。それはいいことのようにも思えるんですけども、一貫性という点からいうと、あまり一貫性は無いと。

ということもあり、コアが増える分、コンテキストスイッチが減るということが、特にデスクトップOSの場合は割といいことなんだなというのが、一つこの世代Alder Lakeでの発見だったと思います。”
– Episode 326: Hand-Squeezed Apple Juice (hak) より

のような感じです。やっぱりよく分からないですかね?(笑)

『チームトポロジー』

最近読んで学びの多かった書籍です。当社の開発本部長が薦めていたのでポチりました。翻訳版は最近出版されたもののようで 、英語が苦手な自分でも読むことができました。

簡単にまとめると、組織やチームの形と、そこで作られるプロダクト・サービスは類似するので、プロダクトに合ったチーム作りやコミュニケーションパスの設計をしましょうということが書かれています。

『アジャイルサムライ』(Jonathan Rasmusson 著/西村直人・角谷信太郎 監訳/近藤修平・角掛拓未 訳/オーム社)や『リーン・スタートアップ』(エリック・リース 著/井口 耕二 訳/伊藤 穣一 解説/日経BP)は、概念の解説に重きを置いていた印象でした。

しかし、本書はその実践編という位置付けで読むことができ、アジャイルな組織である当社において、現在マネジメントロールで仕事をしている自分としては、とても発見が多い書籍でした。同じようにベンチャーの開発組織に属する方々には、ぜひ手に取ってもらいたい一冊です。

“システムを設計する組織は、その構造をそっくりまねた構造の設計を生み出してしまう、というのが基本的な主張だ。この事実がシステム設計の管理において重要な意味を持つことがわかった。主要な設計は、設計を行う組織を構造化するための基準である。コミュニケーションの必要性に応じた設計活動を行うべきなのだ。”
– まえがき(ページⅧ)より

ここに引用されるコンウェイの法則が本書のベースにあるのですが、この法則の解説から始まるので、基礎知識が無い方でも読み進めながら理解できると思います(私もそのクチでした)。

『ホーキング、宇宙を語る』

車いすの宇宙物理学者として著者をご存じの方も多いと思います。現在流通しているのは文庫版のみのようですが 、私は単行本で読みました。今回久し振りに装丁を見て、当時小学5年生だった時の感覚が蘇るようです。

当時の自分には難解な内容でしたが、それでも「今も膨張を続ける宇宙」「ビッグバン」「ブラックホールの不思議」「逆転する時間」といったある種荒唐無稽に聞こえる概念が、確かに存在するらしいということに極上のワクワクを感じました。

今仕事としているWebサービス開発に全くつながらないじゃないかと感じる方がほとんどでしょうが、私の中でWebに興味を持つ原点が実はここにあると思っています。

この本をきっかけに宇宙物理学の本を読み漁り、「宇宙に関わる仕事に就きたい!」と思っていました。が、ある時インターネットに出会った自分は、そこに幼少期に宇宙に感じたのと同じぐらいの果てしなさを覚えました。

当時は「テキストサイト」と呼ばれた、ブログのような体裁とニコニコ動画のようなジャンクな雑味が合わさったようなカルチャーが流行っていた時代です。その中でも特に影響力のあるサイトが恒星となり、それを模倣するようなサイトが惑星としてその周りを回る。そんな集合体がいくつも作られ、星団を為すような様。サイト同士はリンクという形でお互い引力を持って惹き合う。

そうこうしていると「面白Flashアニメ」のような別の星々が生まれて新しい星団を作り、古い星々は流行という寿命を終えて消えていく。そしてそんなインターネットの世界は、当時ものすごい速度で広がっていました。それこそその果てには誰も追いつけないようなスピードで。

宇宙に魅了された自分だから、インターネットの世界にロマンを感じ、そして今もそこで楽しく仕事ができているんじゃないかなと思います。

取材・文・編集/ノオト

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