五反田バレー企業の社員がおすすめコンテンツを紹介する連載「五反田バレーのクリエイターはこれを見てる」。第7回は、発注先業者比較サイト「アイミツ」を運営する株式会社ユニラボのデザイナー柿本泰人さん。デザイナーとして働くうえで役に立っている書籍や絵本、YouTubeチャンネルを紹介してくれました!
プロフィール
株式会社ユニラボ 柿本泰人さん
部署:CPO室
肩書:デザイナー
担当業務:「アイミツ」などユニラボが展開するサービスのデザイン/デザインチーム運営
デザイナー柿本さんのおすすめコンテンツ
『Design Systems ―デジタルプロダクトのためのデザインシステム実践ガイド』
タイトル通り、Webサービスやアプリケーションなどデジタルプロダクトのデザインシステム構築がテーマの本です。
本書の良い所は、デザインシステムを構成する要素(デザイン原則、パターンライブラリ、コンポーネントライブラリ、デザイントークンなど)の体系を紹介するほか、AirbnbやAtlassianなどの企業における運用方針、組織に定着させるための活動事例なども語られている点です。
開発生産性を高め、ユーザーに一貫したプロダクト体験を提供するためには、ある程度の規模の組織であれば、何らかの形でデザインとシステムを統合し、非属人的に運用する必要に迫られます。
小〜中規模の組織では、一からデザインシステムを構築することはあまり現実的ではなく、例えばMaterial Designなどの公開された既存のデザインシステムやVuetify、MUIなど環境に応じたオープンソースのUIライブラリを使うような事例も多いと思いますが、それらはあくまで道具であり、一定の知識を持った上で自分たちのチームに適した運用を行わないとメリットは得られません。
組織の中でデザインオプスを担う人は、困った時のリファレンスブックとして手元に置いておくと良いでしょう。
・ご紹介コンテンツ
『Design Systems ―デジタルプロダクトのためのデザインシステム実践ガイド』(アラ・コルマトヴァ 著/佐藤伸哉 監修/ボーンデジタル)
『夜の木』
インドの出版社、タラブックスによる絵本です。全てのページがシルクスクリーンで一枚ずつ刷られ、手作業で製本された美術品のような味わいのある絵本です。ハンドメイドであることから1刷あたり数千部しか発行されず、刷ごとのナンバリングがされています。
日本語版はタムラ堂から出版されていますが、すぐに売り切れてしまうので、私はタラブックスの公式サイトから英語版を取り寄せています。すでに10刷を超えていますが、毎回表紙のデザインが変わるので、どのバージョンも手に入れたくなってしまいます。
普通の印刷本とは違った匂いや微かに滲む描線に、手仕事ならではの温もりを感じ、普段デジタル領域のデザインを専門にしている私には羨ましく感じる部分も。ページを開いて眺めているだけで楽しく、部屋に飾っておきたくなる本です。
・ご紹介コンテンツ
『夜の木』(シャーム、バーイー、ウルヴェーティ 著/青木恵都 訳/タムラ堂)
『山田五郎 オトナの教養講座』
「出没!アド街ック天国」などでおなじみの山田五郎さんが、主に西洋美術について語るYouTubeチャンネルです。毎回1人の画家に焦点をあて、人生遍歴やその作風に至った経緯などを解説しています。
私は美大出身で、国内外問わず美術館に行くのが好きですが、西洋美術史は奥が深すぎて、未だ体系的な理解ができているとは言い難いです。
新古典主義、ロマン主義、写実主義、印象派、象徴主義、ラファエル前派、分離派……といった複雑な芸術運動の文脈や難解な用語はなかなか頭に入って来ませんし、特に宗教画を理解するためには、バックボーンとなるキリスト教やギリシア神話などの知識も必要になってきます。
でもこのチャンネルでは、スタッフのワダさんからの疑問に山田さんが答えるというフォーマットで徹底的に素人向けの解説になっていて、とにかく分かりやすい。動画を観ているうちに少しずつピースが埋まるように知識が増えていくのが楽しく、更新された日はいつも寝る前にチェックしています。
・ご紹介コンテンツ
『山田五郎 オトナの教養講座』
取材・文・編集/ノオト