五反田計画ITベンチャーと地域の共創メディア

一覧へ戻る

コロナ禍に入社した人の悩みとは? 新入社員に本音を聞いてみた

  • line

緊急事態宣言が発令された2020年4月前後からリモートワークを導入する企業が増え、五反田バレーの参加企業では年の瀬に差し掛かった現在でも継続している会社が多いようです。

リモートワーク期間が長くなるなかで耳にするようになったのが「新入社員をリモートワークでどうフォローすればいいのか?」といった声。人事担当者や新入社員を受け入れた部署の担当者は、オンラインでの採用後のフォローに苦戦しているのだとか。

そもそも新入社員はどんなことに悩んでいるの? その悩みを知れば、採用後のフォローに生かせるかもしれない……。そこで、五反田バレー参加企業の3社に協力していただき、コロナ禍に入社した人の悩みを本人から直接ヒアリングしました。コミュニケーションの悩み、会社に慣れるまでの悩みの2つのテーマに分けて紹介します。

オンラインは話しかけにくい? 新入社員が悩むコミュニケーション問題

入社してすぐリモートワークになった新入社員は、コミュニケーションでどんな困りごとがあったのでしょうか? 声が多かった4つはこちら!

(1)先輩社員の人柄がわからなくて話しかけにくい
ほとんどの社員はオンラインでしか顔を合わせたことがない。会話も会議中しか行わないため、プライベートな話をする機会がなくて人柄をつかめないし話しかけにくい……。
(2)自分が何の仕事をしているか知ってもらいにくく、話しかけてもらえない
入社後に社内チャットツールで自己紹介をするけれど、日々の業務は都度知らせるわけではないので、自分が何をしている人なのか、イマイチ把握してもらえていない気がする。社員もどんなときに自分に相談するべきなのかわからないと思う。
(3)声をかけるタイミングがつかめず、聞きたいことがあっても聞けない
先輩や上司が何をしている最中なのか把握できず、『今話かけていいのだろうか』と躊躇してしまう。チャットツールであっても、声をかけるタイミングを間違えてしまうのがこわい。
(4)チャットツールの「雑談チャンネル」に気軽に投稿できない
何でも気軽に話せるようにと『雑談チャンネル』が用意してあるけれど、社員との関係性が築けていない状態で投稿するのは勇気がいる。

◎企業側はどう対応すればいいの?

4つのお悩みに企業側はどんな対応をしたらよいのでしょうか? 実際に五反田バレー会員のある企業で行われた解決策と、新入社員の声をもとに導き出した解決策をまとめました!

解決策1:全員の人柄がわかるように、先輩社員の自己紹介スライドを作成する

「社員の人柄がわからない」「社員との関係性が築けない」といった場合は、社員のキャラクターがわかる資料を作っておくと、それぞれのパーソナリティの把握がスムーズです。

担当業務、あだ名、趣味などを書いた「自己紹介スライド」を1人1枚作成してもらい、それを1つのファイルにまとめておけば、新入社員にそのファイルを渡すだけで先輩社員の人柄を伝えることができます。新入社員から話しかけるきっかけを作れて、関係性構築につながるかも!

解決策2:バディ制度でいつでも話しかけていい相手を決めておく

「声をかけていいタイミングがわからない」といった場合は、新入社員のバディ(お世話係)をあらかじめ決めておき、いつでも話しかけられる環境を整えましょう。

誰に相談しようか迷う必要がないだけで安心感はだいぶ変わります。また企業によっては、先輩とオンラインツールで常時繋がっている状態にして、テキストや音声ですぐ話しかけられる体制を作っているそうです。

解決策3:全社ミーティングで「業務を讃える時間」をつくる

「自分が何の仕事をしているか他の社員にわかってもらえない」といった場合は、全社ミーティングなどで日々の業務を讃える時間を作ってみましょう。

たとえば「新入社員のエンジニア○○さんが自社サービスのこの不具合を改善してくれました」とチームメンバーが紹介し、みんなで讃えることで、その人が何をしている人なのかを全社員が知ることができます。新入社員と先輩社員がコミュニケーションを取るきっかけになるはず!

組織図がなくて全体像がつかめない……会社に慣れるまでの悩み

入社したばかりの社員にとって、リモートワークで会社のことを把握するのが難しいのも大きな課題です。会社に慣れるまでにどんな悩みがあったのでしょうか?

(1)誰に何を聞いたらいいのかわからない
入社後すぐは面接官をしてくれた社員と人事担当者しか知らないので、その人たちに毎回『これは誰に聞けばいいですか?』と聞いて適任の人を紹介してもらっていた。出社していれば部署ごとに座る場所が決まっていたり、雑談の中で仕事の話がでたりして、誰がどの部署に所属しているか特定できるのにリモートワークでは難しい。
(2)チャットツールのチャンネル分けが複雑で、どこに投稿すればいいのかわからない
話題ごとにチャンネルが分けられているが、数が多すぎて結局どこにどの話題を書き込めばいいのかわからない。慣れれば問題ないけれど、最初は間違っていたらどうしようと思い躊躇することもあった。
(3)会社の一社員として受け入れられているのか自信がない
いざ入社したものの、オフィスに行ったことがないし、ほとんど同じ部署の人としか交流しないので、本当にこの会社の社員として受け入れられているのか不安だった。『仕事をする自分=自宅の部屋で1人だけで作業する自分』なので、会社や同僚の存在感が薄くなりがちに……。

◎企業側はどう対応すればいいの?

こちらも実際に五反田バレー会員のある企業で行われた解決策と、新入社員の声をもとに導き出した解決策を紹介します!

解決策1:組織図のような会社の全体像がわかる資料を作る

「誰に何を聞くべきかわからない」といった場合は、社員それぞれの担当領域を記した組織図のような資料を作りましょう。資料には「○○さんはエンジニア」だけではなく、「○○さんはエンジニアで△△の言語を使って××の開発を行っている」と具体的に書いておくことで、資料を見たときの理解度が高まるだけでなく、「誰に相談すればいいのかわからない」といった問題もカバーできます。

解決策2:チャットツールの運用ルールを整理する

「チャットツールのチャンネルが多くて迷う」といった場合は、ツールの運用ルールを整理してみましょう。「このチャンネルはこういう話をする場所です」「リアクションはスタンプでOK」など具体的にルール化しておくと、新入社員が迷わなくなります。また気軽に投稿してもらうために、間違えて投稿しても大丈夫という空気感を作ることも大事!

解決策3:他部署の社員と対面でコミュニケーションを取れる場を作る

「一社員として受け入れられているのか不安」といった場合は、社員同士がオフラインで交流できる場を作りましょう。このご時世、大人数で集まるのは難しいかもしれませんが、月に1回各部署から数名を集めて実施すれば、他部署に新入社員を紹介することができます。

また自社商品のリリースイベントなどに新入社員を招待することで、「自分の会社は新しいチャレンジをしている」と会社の勢いを肌で感じてもらえて、働くモチベーションも高まるはず!

リモートワークの不安をなくして、楽しく働ける職場に!

オンラインコミュニケーションが主なリモートワークでは、出社しているときのように新入社員に細やかなフォローをするのが難しいですよね。「何も相談してこないから大丈夫」と思っていても、新入社員本人はこっそり悩んでいるかもしれません。

「いつでも相談してね」と声をかけても、新しい環境でどう立ち振る舞えばいいのかわからない新入社員にとっては、相談するハードルがまだまだ高いのです……。新入社員が会社になじみ、すぐにパフォーマンスを発揮してもらうためにも、不安を解消して楽しく働ける職場を作りましょう!

 

(文:水上アユミ/ノオト 編集:伊藤 駿/ノオト)

  • line
参考になったらクリック
クリックありがとうございます!

こちらの記事についてご意見、コメントがございましたらお願いします。
コメントは非公開であり、今後の五反田バレーの運営のために参考にさせていただきます。

コメントの送信ありがとうございます!

おすすめの記事