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セーフィー代表取締役・佐渡島隆平さんインタビュー「カメラが見守る“好印象の五反田”をいつか作りたい」

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JR五反田駅前に拠点を構え、クラウド録画サービス事業を行うセーフィー株式会社が2021年9月末に上場。五反田のこと、どう思ってる? 会社のこれからの展望は? 代表取締役の佐渡島隆平さんに、気になることを根掘り葉掘り伺いました!

佐渡島隆平さん

セーフィー株式会社代表取締役社長 CEO。「映像から未来をつくる」をビジョンに掲げ、クラウド録画型映像プラットフォームの開発・運営を行う。「見える未来文化研究所」の発足や、Forbes JAPAN「日本の起業家ランキング2021」にて1位に選出されるなど、精力的に事業を推進している。

◆遠隔作業の需要が増大 「カメラで見る」価値の変化について

――改めて、マザーズ上場おめでとうございます!

ありがとうございます。

――コロナ禍での上場となりましたね。苦しんでいる企業も多い中、このタイミングでの上場に関しては、何か意図があったのでしょうか。

コロナで「遠隔でないと仕事が成立しない」という状況がかなり色濃くなりました。数年前までは、「ここにカメラがあれば便利になるよね」という温度感の需要が多かったんですよ。

――絶対に必要、というわけではなくて、あくまで「生活や事業を便利にする」需要だったと。

そうです。例えば、北海道帯広市にある酪農牧場で当社のクラウドカメラを使っていただいているのですが、使い方がまさに「便利のため」で。牛がお産を迎えるときは、昼夜問わず牛舎まで何度も様子を見に行かなくてはならないそうなんです。でも冬の帯広って、マイナス30度くらいになるようで。

――さ、寒い……。

やらなきゃいけないんだけど、寒いし、しんどいし、夜中は眠い……というのがあったそうで。そこで牛舎にクラウドカメラをセットすることで、暖かい室内から牛の様子が見られるようにしたんですね。これを「とても便利になった」と評価をいただけて、長くご利用いただいています。これは「あったらいいな」を実現することができた代表的な例ですね

このように、人の眼をカメラに代替していく価値は元々あったのですが、それがコロナ禍によって、絶対的に・早急に必要になりました。

――「あったらいいな」の世界から、「なくてはならない」の世界になったのですね。

それに加えて、労働生産人口の減少という深刻な問題もあります。さらに、5Gが2023年末くらいから一気に使えるようになることで、クラウドを活用しやすい環境も整います。

――条件がそろったタイミングが、まさに今だったと。

そうですね。先の状況を見越して、上場に向けた準備は2年半前くらいから進めていました。

――クラウドカメラ事業を拡大していくということですが、今後の展望をお聞かせいただけますか?

AIを搭載した「賢くなるカメラ」を用いて「映像から未来をつくる」。「映像をデータ化し、あらゆる人の意思決定を変えていく」という、当初から掲げている目標は変わっていません。

上場したことで、クラウドカメラを広めていくスタートラインに立てたと思っています。

◆やさしい「見る」の考え方 セーフィーが伝えたいこれからの「眼」

――上場に伴うキャッチコピー「見るって愛でEYEなのかも」。すごく素敵な言葉だなと思いました。

「見る」という行為が与える社会への影響というのは、ものすごく大きいと考えています。かつて生物が多様化したきっかけの一つに、「眼を持ったこと」があると考えられているんですね。生物の眼が発達することで、多くのモノを捕食することができるようになったり、陸上に上がっていったりして進化したんです。

AIの眼も同じように考えています。「見ること」でどんどん進化を遂げていく。「眼=カメラ」と「脳=AI」を繋ぐことができるようになった今、可能性がどんどん広がっていくと思っています。

でも、「見る」ということには、なんとなくネガティブな印象もあると思うんですよね。監視だとか、盗撮みたいな。

――プライバシーとの兼ね合いなども難しいポイントですよね。

だから、「見ること」そのものやカメラの活用法自体を啓蒙していくことも、とても大事なことだと考えています。

例えば、飲食店などの店舗の管理は、本社の社員が店舗まで赴いて行うのが一般的だと思います。でも、ごくたまに本社の人が店舗に来る状況だと、スタッフの方はちょっと恐縮してしまうと思うんです。

そこで、本社の人の眼をカメラに置き換えてみる。すると「たまにやって来る本部社員の視線」が、「常に見守る視線」に変わり、一種の安心感につながる状態が作れると思います。視察の担当者も移動時間が削減され、管理がしやすくなりますよね。

オペレーションがうまくいっていなかったら、その都度、本部も店舗も一丸となって改善に向けて動く。カメラには、このように「人に寄り添える」価値があると思っています。

「見るって愛でEYEなのかも」というキャッチコピーにも、この辺りの思いを込めました。

◆進化するクラウドカメラ これから一体何ができる?

――「AIと融合したカメラ」は、今、どのくらいのことができるようになっているのでしょう?

ウェブマーケティングをやっている人だったらわかると思うのですが、ネットの世界だとPVやアクセス回数など、サイトにアクセスしてきた人の情報を、当たり前のように知ることができますよね。カメラを使うことで、リアルな場でもこういった情報を管理できるようになってきました。

例えば、カメラを通してお店にどのくらいの人数が来店しているのか、何回くらい訪れたのか、その方がどういう属性の人なのか等が統計データからわかります。行列や混雑状況なども知ることができるので、店内オペレーションの改善に活用することもできます。

店舗だけでなく、交通量調査にもAIカメラを使うことで、人力に頼らず自動で判断できるようになっています。

あとは安全管理。建設の現場で自動操縦の重機を扱う際、人が轢かれないようにAIカメラが車後方を管理して、危険が迫るとアラートを上げるサービスなどに活用されています。

意外と見えないところで、社会実装が徐々に進んでいるんですよ。

――すでにさまざまな場所にカメラを導入していると思いますが、こんな使い方あるんだ! と驚いた事例はありますか。

例えば、たった数人で無人店舗を何店舗も経営している方がいます。今までありえなかった店舗数の管理を成立させているのは、このIoTの力が使えるようになってきた現在ならではですよね。

ファッションイベントでも、いろいろなところにクラウドカメラを設置して、中継を行うなんていう施策もありました。ランウェイの横に置いて、普段見られない場所を見られるように……と。

業態や業種、代替したい価値によって、本当に多種多様な使い方があると思います。

――今後はどんなところでカメラが使われてくと考えていますか?

店舗しかり、建設現場しかり、「無人化」での運営は増えていくのでは、と思っています。他の業界でも、例えば製造業でファクトリー・オートメーションが進んでいますので、そこで人の眼をカメラに置き換えるというのも徐々に需要の増大を感じますね。

デジタル庁ができたことで、公共の分野にも一気に普及していくと考えます。あとはスマートビルディング。空間に人がいなくなったら空調を止めるなど、エネルギーの最適化などにも近い将来どんどん応用されていくと考えています。

――人の眼で管理していたものが、どんどん置き換えられていくと。

そうですね。今後は「ちょっと気がきいてるね」という、カメラによるサポートの需要自体も伸びていくのではないでしょうか。

◆五反田の顔を目指したい! セーフィーのこれから

――どんどん事業を拡大されて大きくなっていくセーフィーさんですが、まだしばらくは五反田にいてくれますか…⁉︎

もちろんです! 当社には五反田推しの社員が多くて。衣食住がまとまっているし、これはコロナ前の話ではありますが、アフター5も充実するのもいい(笑)。住み良いので五反田の近くに引っ越してくる社員は多いです。できる限り、活動拠点にしていきたいと思っております。

――ほっとしました(笑)。事業的にもメリットがあるんでしょうか?

渋谷の顔、品川の顔……と聞くと思い浮かぶ企業がありますが、五反田の顔って言われても、まだパッと出てこないじゃないですか。

この(五反田の)オフィスを借りた時に、立地が駅前なのもあり「五反田の顔になってください」と言われたことがあって。確かに五反田を代表する会社はありそうでないなと。そこを目指すのはマーケティングとしてもイメージとしてもいいなと思います。

あと、五反田って、印象としての治安が悪いじゃないですか。実際の治安は全然悪くないし、最高の街だと思っているんですが。いかんせんイメージが……。

――どうしても歓楽街のイメージが強いですよね。

カメラによって、より良い印象の街づくりをしていくというのはチャレンジしてみたいなと思いますね。

――五反田にクラウドカメラを活用するとしたら、例えばどういうところに使えそうですか?

電車が止まった時に、五反田駅の状況をお知らせしてくれるとか、お気に入りのお店の空き情報が、現地へ行かずともリアルタイムでわかるとか……。

あとは目黒川の増水とかの状況を事前に教えてあげたり、タクシーの待ち状況がすぐ分かったり、なんかはどうでしょう。活用方法はたくさんあると思います!

――おお、通勤している街だけあって、「ここに置くのかな」というのが目に浮かびます! そして、実現したらとっても便利ですね。

そうですね。今のはまだ想像の段階ですが、徐々にまちづくりにも貢献できればいいなと思っています。

取材・執筆/守屋和音(ノオト) 編集/杉山大祐(ノオト)

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