出社せずに好きな場所で働く「リモートワーク」が当たり前になりつつあります。リモートワークは働く環境を自由に選べる、移動時間や交通費を削減できるなどのメリットもありますが、一方で雑談が生まれにくいといったデメリットも。結局どんな出勤スタイルにすればよいのか、多くの企業が頭を悩ませているのではないでしょうか?
「うちの社員はバーチャルオフィスに出社しています!」
そう話すのは、コグラフ株式会社の中村洋一郎さんと横山美貴さん。なんとバーチャルオフィスを運用して、1年経つのだとか。バーチャルオフィスってそもそも何? 1年間運用した効果は? 気になることを2人に質問してみました!
中村洋一郎さん
コグラフ株式会社 サステナビリティ推進室長/社外取締役
社員、企業、社会の持続可能性を高めるべく、2017年にコグウェル(社内ウェルネス施策)、2018年にゴタウェル(五反田の企業ウェルネスネットワーク)を立ち上げ、施策立案から実行まで担当。米国・ニューヨーク在住。米国・バブソン大学MBA。週末養蜂家。
横山美貴さん
コグラフ株式会社 プロダクトチーム Business Design Office室長
AI×会話の領域で電話を再発明すべく、オフィス・店舗の電話番「マヤイ」を育成中。マーケティング、セールス、カスタマーサクセスを担当。通称マヤイ姉さん。
コロナ前からあった課題解決のためにバーチャルオフィス導入へ
ーーコグラフさんが運用している「バーチャルオフィス」とは、そもそも何でしょうか?
――なるほど。もしよければコグラフさんのバーチャルオフィスを見せていただけませんか。
▲コグラフさんのバーチャルオフィス。机や椅子が並び、いろんな場所に社員のアイコンがある
ちなみに四角い机が並んでいるところは執務スペース、丸テーブルはカフェスペース、右側の4つの四角形はそれぞれ会議室をイメージしています。
――それぞれのエリアで役割は違うのでしょうか?
――バーチャルオフィスの運用を始めたきっかけは何でしょうか。やはり新型コロナウイルス感染症の影響ですか?
コグラフにはソフトウェア開発やデータ分析を行う部署もあるので、だいたい3〜4割の社員はお客様のオフィスに常駐して働いています。コロナ禍以前から社員が会社に集まることが少なく、帰属意識の低下が課題になっていました。
そんな中、緊急事態宣言が出た。さらに課題が大きくなることを懸念して、動くなら今しかないと思い、バーチャルオフィスの運用に踏み切りました。
――ある意味コロナ禍が良い転機になった、と。どんな手順で導入を進めたのでしょうか?
でも、今回は緊急事態宣言が出て急に対応しなきゃいけなくなった。社員はみんなITリテラシーが高いので、どんなツールでも1〜2日使えば慣れるだろうと思い、いきなり全社に導入しました。幸い、反発の声もなくスムーズに受け入れてもらえましたね。
半歩先の未来のツールが定着しやすい
――「oVice」というツールを使っていますが、決め手は何でしたか?
「oVice」を導入したあと、別のツールも使ってみましたが、画面のデザインがおしゃれ過ぎて……。真っ白な空間に丸い模様がぽつぽつ描いてあるデザインで、社員からは「どこにアイコンを置いていいかわからない」「話しかけにくい」などの意見が出ました。それで、また「oVice」に戻したという経緯があります。
――まずは使ってみて、違和感があれば辞める。挑戦と失敗を繰り返して最適なものを探しているのですね。
バーチャルオフィスで帰属意識は高まる? 1年使ってわかったこと
――ずばり、1年間バーチャルオフィスを使って感じたメリット、デメリットとは?
でも、バーチャルオフィスになってから、同じ空間に知っている名前の人のアイコンがうろうろしていて……それだけで「あぁ、自分はこの会社の一員なんだな」と感じられました。きっと他の常駐メンバーも同じ気持ちだと思います。
デメリットは特に感じてないですね。横山さんはどうですか?
そうした人たちを無理やり巻き込むのではなく、負担なく参加してもらうためにどうすればいいのか、まだ考えていく必要がありますね。
――例えば、これまで運用面でどんなことを工夫したのでしょうか?
――導入前の準備が大事なのですね。最低限これは守ってね、といった運用ルールは作っていますか?
まずはやってみる! 挑戦が課題解決につながるかもしれない
――最後に、これからバーチャルオフィスの導入を考えている方に伝えたいことはありますでしょうか。
ーー中村さん、横山さん、ありがとうございました!
今後もリモートワーク推進の流れは続きそうです。コグラフさんのように帰属意識の低下やコミュニケーション不足など、課題を感じている企業はバーチャルオフィスを試してみてはいかがでしょうか。
(文:水上アユミ/ノオト 編集:杉山大祐/ノオト)