五反田計画ITベンチャーと地域の共創メディア

一覧へ戻る

【五反田バレー座談会】企業の強みを生かしてナレッジシェアすればチャンスを無駄にしない

  • line

「賃料が安い」「社員が住みやすい」「交通の利便性が高い」という観点から、近年、五反田エリアにスタートアップ企業が集まっています。

オフィス移転の支援業務を行うヒトカラメディアによると、2016年から2018年の間に、25社以上が五反田へ移転したそうです。

新たなスタートアップの聖地として盛り上がりを見せる五反田。その波に乗るように誕生したのが、2018年7月に設立された「五反田バレー」です。

設立当初は6社だった参加企業も、同年12月には20社に到達。現在も、入会を希望する企業の申し込みを多数いただいています。

IT業界のみならず多方面から注目される「五反田バレー」。今回は「五反田バレー」の理事企業のうち4社の広報担当者が集まり、組織の狙いや設立時のエピソードなどをざっくばらんに話し合いました。

※情報は2019年1月時点のものです。

<座談会の参加者>
株式会社よりそう:高田綾佳さん
セーフィー株式会社:鈴木章子さん
freee株式会社:定田充司さん
株式会社ココナラ:古川芙美さん

組織化してチャンスを無駄にしなくなった

――そもそも「五反田バレー」を設立した経緯について振り返ってみましょう。

定田
はい。まず組織には3つの目的があります

定田
1つ目は「五反田のブランドイメージ向上」。

実は五反田はまだまだ歓楽街のイメージが強くて、スタートアップが集まっていることが全国的には知られていないんですよ。
古川
だから五反田バレーの活動を通して、「五反田=スタートアップが集まるビジネス街」というブランドイメージを定着させていきたいです。
定田
2つ目は「社会問題の解決」。スタートアップには“社会にある大きな課題を解決する”という定義があり、各社がさまざまな課題に向き合っています。

そういう企業が集まることで、五反田からより多くの社会課題を解決していけるのではないかと考えています。

例えば僕がいるfreeeは、「やりたいことがあるけど人手が足りない」という中小企業の課題に対して、テクノロジーの力で生産性を高める取り組みをしています。
そうやって、これまでは社会問題に会社が個々で向き合ってきたけど、「五反田バレー」という1つの組織になることで、各社の知見が集まって1社で考えるだけでは出てこなかった新しい解決法を導き出せるようになりました。

特に採用イベントとか。
高田
古川
そうですね。スタートアップ企業が共通して抱えているのが採用の問題で、特にエンジニアの採用にはどこも苦労しています。

新しい会社だからネームバリューがなくて、会社説明会をやっても人が集まらない。だったら五反田バレーの参加企業を数社集めて合同説明会にしたらいいんじゃないかなって。
そうすれば、イベントの規模も大きくなるし、来場者もいろいろな会社の話を聞けるから集まりやすくなる。

そうやって1社では解決できない問題でも、仲間がいることでカバーし合えているよね。
鈴木
定田
3つ目の「イノベーションを生み出すハブになる」は、例えば行政や大企業がスタートアップに興味を持って一緒に何かをしたいと考えても、今までは窓口がなくて実現しづらかった。

でも、これからは「五反田バレー」が窓口になって仕事を受け、企業をマッチングさせていこうというものです。
古川
実際に、人材紹介業のビズリーチさんから「採用イベントを一緒にやりませんか」という仕事のオファーをいただき、「五反田バレー」参加企業のインバウンドテクノロジーさんと一緒に「エンジニアはしご酒オフィスツアー」ってイベントを開催しました。
会社に個別にきた仕事のオファーも、うちじゃ受けられないって時は「五反田バレー」の仲間に聞いてみることで、何かが生まれるキッカケにもなったりします。

チャンスを無駄にしなくなりましたよね。
高田

――たとえそれぞれ違うミッションを掲げていても、会社同士が集まることで新たな繋がりができたり、コンテンツが生まれたりするなど、メリットがたくさんあるのですね。

定田
僕が組織化の一番のメリットだと考えているのは、ナレッジシェアできること。

それぞれの会社で事業内容や社内政治が違うから、自分の職場だけでは知り得ないことを情報共有できる。
「五反田バレー」の設立発表イベントこそナレッジの集合で実現できましたね。

メディアリレーションが強い会社には集客担当になってもらったり、他の企業は品川区との調整を担当してもらったり、会社の強みを生かして役割分担をして進められたのは本当によかった。
高田

たった3カ月で五反田バレー設立

――「五反田バレー」を始めるきっかけとなった出来事などはありましたか?

五反田にある企業の広報向け勉強会が定期的に開催されているんですが、それに参加していた人たちの雰囲気が良くて、「みんなで何かしたいね」って話したのがキッカケですね。
高田
古川
勉強会を主催している田(でん)さんに、私はすごく背中押されました。

「なんか五反田バレーみたいなのできたら、PRネタとしてもいいのにな〜」って話していたら、「いいのにな〜じゃなくて、実際に行動しなさいよ」って。
定田
でもみんな普段は会社員として働いて、ただでさえ忙しいという状況だったので、なかなか決断できなかったんですよね。

そうしているうちに、2018年2月に日経新聞から、五反田にスタートアップが集まっているという内容の記事が出て「五反田バレー」という名前がじわじわと注目され始めてきた。
古川
そう、だから「メディアとの相性もいいしやってみようよ!」って声をかけて集まった6社で、2018年4月に「一般社団法人五反田バレー」の設立に向けて動き始めました。

――4月に動き出し、7月に設立イベントとは思い切りましたね。

定田
そうなんです。団体を作るって言ってからイベントまで、3カ月しかなかったんですよ。
短すぎですよね(笑)。先にイベントの日にちだけ決めて、あとはやるしかないって気持ちでした。
鈴木
定田
かなりバタバタだったよね。僕のせいでパネル間に合わない問題とか……。
あったね! あれはまじで根性エピソード(笑)。
高田
定田
設立イベントのパネルの発注を僕が引き受けたんですけど、発注の締め切りギリギリに急な会食が入っちゃって……。

これはマズイと思って五反田バレーのSlackに「誰か助けて〜」と投稿しました。
で、私が「わかりました! やりま〜す」って引き継いで、夜中の1時くらいから作業を始めてなんとか入稿が完了し、事なきを得ました。

あのパネルにはね、根性が詰まってるんですよ(笑)。
高田

五反田バレー設立イベントの写真。後ろの3枚のパネルには根性が詰まっている。

――パネルにそんなドラマがあったとは(笑)。並行して、事務手続きなども進めていたんですよね?

定田
法人登記もね、大変でしたよ。いろいろな情報をフロッピーディスクで持ってきてって言われたんですが、今時フロッピーディスクと言われても、誰も持ってないからって。
スタートアップはデジタル化に慣れすぎて、逆にアナログな事務手続きについていけないんです(笑)。
鈴木
古川
法人口座を開くのも、時間かかりましたよね? あれってメールでできたんでしたっけ?
定田
いや、銀行に行かなきゃいけないんです。

一同:えぇ〜!

定田
結局、法人口座を開くのに2カ月かかったな。

半年で参加企業が6社→20社以上に

――「五反田バレー」発足から半年。実績や成果を教えてください。

古川
イベントで登壇をする機会は多かったかな。

品川区主催のイベントや広報勉強会で、五反田バレーの取り組みについてお話しさせていただき、団体の認知拡大にも繋がったと思います。
PR観点で他社と組むというのは少ないみたいで、面白い事例として登壇をお願いされるケースが多かったですね。
高田
あとはエンジニア向けのイベントを開催しました。

元Googleのエンジニア・及川卓也さんを迎えて、「五反田スタートアップと大企業エンジニアの生き方」というテーマでトークイベントをしました。
鈴木
古川
エンジニア向けのイベントは今後もどんどんやっていきたいですね。五反田のエンジニアのスキルアップや採用に繋がってほしい!

定田
シンプルに「半年で変わったこと」で一番わかりやすいのは、参加企業が増えたこと。最初は6社しかいなかったけど、今は20社以上に増えています。
6社でできることは限られているので、参加企業が増えることで活動の幅が広がりつつあります。今後発信できる情報も増えていくんじゃないかな。
鈴木
古川
それと多くのメディアにも取り上げていただきました。設立イベントの時だけでも、ニュースサイトからNHKまで、20媒体以上。

SNSで「五反田バレーって名前ダサい」という意見もありましたが、それだけ浸透したのかなと(笑)。
品川区から一部予算の委託を受けられたので、ダサいって言われないようにこれからさまざまな活動をしていこう(笑)!
高田

地域や大企業を巻き込んで、五反田を盛り上げたい

――今後の活動予定は?

品川区との連携を深めたいです。これまでの活動は、参加企業を増やして、知名度を高めてと組織の足場を固めるのが目的でした。

これからは予算を割り当てていただいたことに感謝しつつ、品川区と五反田バレーの双方のメリットになるような取り組みをしていきたいです。
高田
日本全体で“地域と企業の関わり方”とか“大企業とベンチャーの関わり方”が注目されているので、五反田バレーがそのモデルケースになれるといいな。
鈴木
古川
確かに、地域との連携はまだまだできていない状態。五反田の商店街とも何かしたいし、地域の人を巻き込んで運動会をするのも楽しそうじゃない?

一同:いいね! 楽しそう〜。

――最後に、五反田という街をどのように変えていきたいですか?

イメージカラーをピンクじゃない色にしたい!
高田
歓楽街のイメージが定着していますからね。

山手線の新駅の名前が「高輪ゲートウェイ」になった時に、SNSで山手線の名前を改めて考えたっていう画像が話題になったんですけど、五反田は「五反田セクシャルプレイス」って名前になっていましたもんね(笑)。
鈴木
セクシャルに負けちゃったか〜。今の五反田は、ベンチャー企業が集まっていて、おいしいご飯屋さんもたくさんあって、働いている私たちにとってはいい街なんだけどな。
高田
古川
渋谷や新宿と比べて、五反田は落ち着いていて、夜飲みに行ったあとも人をかき分けずに帰ることができるし、住みやすい街でもあると思いますよ。
定田
僕は実際に住んじゃってますからね(笑)。いい街ですよ。
いずれは川辺や公園にWi-Fiのスポットができて、そこで打ち合わせできるようになったりして。
鈴木
定田
うわ〜、それいい! ベンチャーの街っぽいな〜!

(企画・取材・執筆:水上アユミ/ノオト 編集:阿部綾奈/ノオト)

  • line
参考になったらクリック
クリックありがとうございます!

こちらの記事についてご意見、コメントがございましたらお願いします。
コメントは非公開であり、今後の五反田バレーの運営のために参考にさせていただきます。

コメントの送信ありがとうございます!